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無料相談でほんとうに聞いてほしいこと

無料相談で「話を聞いてもらえなかった」と思った経験はありませんか?

司法書士の無料相談は電話、面談含めてほぼ毎日行われています。ですが、相談者の中には「もっとこうしてくれたらいいのに」とアドバイスしたくなる方もいらっしゃいます。そこで、今回は無料相談でほんとうに聞いてほしいことをお伝えします。

自分でできますかと聞かれても

よくある無料相談のパターンとして、多くの方が、ある手続につき「自分でできますか?」と聞き、できるとなればそこで相談終了、できないとなれば「いくらくらいかかりますか?」と聞き、コストと手間のバランスから専門家に有料で依頼するという流れを考えていらっしゃいます。

ですが、こちらにはその方が自分でできるかどうか判断する材料がないのです。例えるなら、その方がどんな装備なのかもわからないまま「エベレストに登れますか?」と聞かれているようなものです。いろいろ調べながら自分で手続をすることは無理とは言いませんが「すごく興味があるのでない限りとにかく苦痛」かもしれません。

アドバイス  自分でできるかどうか聞く時は、その判断材料も教えて!!

良いことも悪いことも全部言う

私たちは相談者片方の事情だけを聞いて答えを出しますが、相手方の事情によってはそれが通らないこともあります。

例えば、100万円を貸したのにお金が返ってこないという事情だけ鵜呑みにして「裁判やるぞ!」と進めても、相手方がもう返済したとかもらったとかいう証拠を出してきたり、差し押さえるべき財産が何もなかったりすると、相談者の希望は叶えられません。不利な事情であっても正直に話していただくことで現状のベストな選択をすることができます。

アドバイス  ナマの事実は変えられませんが整理することはできます。思い切って打ち明けて!!

自分に都合の悪い答えもちゃんと聞く

がっかりされるかもしれませんが、相談者が聞きたい答えを言わないのも専門家の仕事です。こちらの意見に納得せず、「友達に聞いた」「ネットで調べた」とおっしゃる方がいますが、一度まっさらな状態に戻してください。仮に相談者の意見が正しくても、正しいことが一番いいとは限らない場合もあるのです。相談者は「損したくない」「ストレスを減らしたい」といった本来の目的を持っているはずです。もしも甘い言葉は聞けたけれど本来の目的を果たせなかったら、もっとがっかりしてしまうでしょう。

アドバイス 相談の効果が発揮されるのは、受け入れる態勢ができた時!!

はしごしたりリピートしたりしない

「自分の聞きたい答えが聞けるまで無料相談を繰り返す」という方もいらっしゃいますが、こちらからすれば迷っている時間がもったいないです。民法に時効制度があるように、時間にもお金にも限りがあるのです。一般無料相談で選択肢が出たなら、今度は個別有料相談にシフトすることをオススメします。仮に具体的な解決に結びつかなかったとしても、方向性を決めるのに必要な時間・お金と思えば有料相談も無駄じゃないと思いませんか?

アドバイス 時は金なり、とにかく行動すれば変化も起きます!!

ゴールを決めるのはあなた

そうは言っても、自分で決められないので先に進めず時間がかかっているんですよね。私も自分が相談する立場だったら、やっぱり迷います。でも、迷っても必ずどこかに着地するんです。結局どうしたいのか、そこがわかれば自ずと選択肢は絞られます。100万円を貸したのにお金が返ってこないという相談では、その背景も詳しく聞き取ります。「何が何でも取り返したい」「しこりを残したくない」「相手の考えが知りたい」「相手にお金がない」「ストレスを減らしたい」……相談の背景、相談者の優先順位によって提案も変わってきます。すると相談者は改めてゴールを決めることができるのです。専門家にできることは、詳しい事情を聞いて相談者がまだ知らないことを提案することであって、指示に従わせることではありません。

アドバイス あなたが決めるあなたの人生、一歩前に進む勇気を!!

いかがでしたか?無料相談では「話を聞いてもらえなかった」というのが相談者の一番の不満です。無料だと敷居が低い半面、先に進まないこともあります。そんな時は、相談の方法を変えてみると、違った答えが聞けるかもしれませんよ。