· 

誰がためにベルは鳴る

司法書士事務所を開いてから2か月。

最初は電話を引くにもパソコンを設定するにも四苦八苦

していましたが、ここ数日はハード面が整ったせいか、

ソフト面で理想と現実のギャップに戸惑うことがあります。

 

ホームページを公開した直後のことです。

それまで静かだった事務所の電話が急にリンリン鳴るように

なりました。

「はい!司法書士の若田です!!」

と張り切って出るも、「司法書士向けのWeb集客力アップ法」「新規開業者特集の雑誌のインタビュー」など、期待とは

うらはらの電話ばかり。

せめて後学のために、どのようにして当事務所をお知りに

なりましたかと尋ねると、「iタウンページを見た」

というつれない答えが返ってきました。

確かにそのサイトにも掲載されていますが、タイミングから

考えて、苦労して作り上げたホームページが功を奏したと

誤解してしまったのでした。

 

それにしても、十数年前は、タウンページの一行広告ですら、

司法書士会会則基準第77条「虚偽若しくは、誇大な広告

又は品位を欠く広告」にあたらないかどうかを気にしていた

というのに今では電話帳どころかホームページまで自由に

公開できるようになったなんて、時代は変わりました

(平成13年8月9日日司連発第435号)。

 

結局、「集客力アップ法」も「雑誌インタビュー」もお断り

させていただきましたが、本当にそのサービスを必要としている人や企業にとっては、どちらも助け舟になったことでしょう。

 

そして、ふと考えました。私自身、本当に法的サービスを

必要としている人のために電話のベルを鳴らしているのだろうか、と。